「レジ袋は石油資源の無駄遣い」はウソ
スーパー、コンビニで買い物をするともらえるレジ袋。
2020年、このレジ袋が有料化された。
「レジ袋は石油資源の無駄遣いだからレジ袋をやめてエコバッグを利用しよう」
という趣旨だが、これは全くのウソである。
「レジ袋」は 原油に含まれる成分を捨てることなく利用した結果
20世紀の初めのころは、石油からプラスチックや合成ゴムなどをつくるための必要な成分だけを取り出して、残りは燃やしていた。
その後、石油化学が発展し、現在は石油に含まれるほとんどの成分が利用できるようになっている。
レジ袋はこのような残りの成分からつくられるようになったものであり、いわば使い道がなくなって無駄に燃やしていた成分をうまく利用して無駄のないように石油を消費する手段として作られたものなのである。
レジ袋を減らせば石油の消費を減らせると思っている人も多いと思うが、レジ袋をつくるためだけに石油を消費しているわけではないので、石油の成分から作られるその他のものも減らさなければ何の意味もないのである。
「エコバッグ」の成分はむしろ希少
引用:https://www.shop-stationery.com/SHOP/KD155401
では、レジ袋に代わって推奨されるエコバッグはどうなのだろうか。
エコバッグの多くはポリエステルを使用している。
ポリエステルももちろん石油から作られるのだが、ポリエステルは石油成分の中で含有量の少ない「BTX」という成分でできており、このBTXはほかにも多くの製品でつかわれるものなので、不足することはあっても余剰が出ることは滅多にないものなのである。
つまり、
「レジ袋を削減してエコバッグを使う」
ということは、わざわざ有効に無駄なく利用できる余り物の石油成分を捨ててしまい、新たに大量の石油を無駄遣いすることになるのだ。
「レジ袋」vs「エコバッグ」のエコ度対決
物事をひとつの面だけから見てはいけない。
なぜレジ袋が買い物した時に無料で提供されるかということを考えてみれば、それは使用コストがものすごく安いから、ということに思い至るはずである。
レジ袋はもともとあまりの材料を有効利用した、むしろエコな製品であるからこそ、無料で提供することができるのである。
一方エコバッグを無料で提供するスーパーやコンビニはほとんど存在しない。
エコバッグを作ることにはレジ袋よりコストがかかるからである。
つまりエコバッグのほうが貴重な資源を消費しているため、無料ではとても提供できないほどのコストがかかっているということである。
悲しいかな現代社会は完全な「資本主義社会」である。
そこには必ず市場の原理が働いており、無料で提供されるものはそれだけコストがかからないものであるのだ。
エコバッグを推奨するのは決して石油資源の無駄遣いを減らすためのいわゆる「エコ」活動などでは全くなく、ただ単にレジ袋を無料で配るよりエコバッグを有料で販売したほうが儲かるからなのである。
つまり、エコバッグは「エコ」という大義名分を掲げた新しい商売なのである。
「エコ」という大義名分に乗って日々の生活を過ごせばあなたはなんとなくいいことをしたような気持になって幸せかもしれない。
しかしそれは何も知らない大衆を操って利益を得ている人間からすれば絶好のカモなのである。
メディアや政府が掲げる耳障りのいい「善良な活動」をただ鵜呑みにするのではなく、自分の目で、自分の耳で、自分の頭で考えて事実をちゃんと知らなければ、あなたはずっとカモのままである。