あなたが食べているその野菜は大丈夫?F1種に潜む危険性

毎日スーパーに買い物に行くとたくさんの野菜が並んでいる

 

たまねぎ、にんじん、キャベツ、大根、トマト・・・。

 

並んでいる野菜をよく見て買っているだろうか?

おそらくあまりどれも大きな違いはないことだろう。

大量に陳列される野菜たち。

そのカタチ、色、大きさはほとんど同じ。

こんなふうに大量で均一で高品質の野菜が全国のスーパーに毎日毎日並んでいる。

これは実は本当に驚くべきことである。

あれだけの数の同じ品質の野菜を毎日揃えるには大変な労力がかかることは想像に難くない。

決してあたりまえにできることではないのだ。

 

 

そこにはもちろん野菜を作っている農家の努力がある。

そしてよりよい野菜を作るため、研究者たちが重ねてきた品種改良の成果でもある。

 

しかし、それ以外にも同じ野菜がこれだけの数供給できるようにするためにもうひとつ重要な要素があるのだ。

 

農家はどうやって野菜を育てるのか

 

農家が野菜を育てる手順を考えてみてほしい。

種をまき、育て、収穫する。

大きく言えばこの手順である。

 

ではまずはじめにする種まき、そのための種はどうやって手に入れるのだろうか?

 

あなたはこう思うかもしれない。

収穫した野菜から種を取って蒔けばいい、と。

 

ところが今はそうではないのだ。

 

農家は種を作っているメーカーから種を仕入れているのだ。

収穫した野菜から種を取って次の時期に取った種をまけば

種なんか買う必要ないじゃん。

なんでわざわざお金払って種買うの?

 

それは、種を買った方が利益が出るから、に尽きる。

 

農家はメーカーから買った種をまく

普通に育てて収穫した野菜から取れる種からできる野菜は色も形もまちまちになる。

自然のものである以上、これは当然のことだ。

しかし、さっきも言った通りスーパーに並んでいるのは色も形も大きさもほとんど変わらないものばかり。

 

つまり野菜は「色も形も大きさも均一でないといけない」のである。

ではそれをどうやって作るのか。

 

そこで出てくるのが「メーカーが作った種」だ。

これをまけば全て均一の色、形、大きさの野菜ができあがるのだ。

結果、農家はより多くの野菜を出荷できるようになる。

つまり、ロスがほとんどなく均一の野菜を出荷することがここで可能になるのだ。

 

自分で収穫した野菜の種をまいて作った野菜より

メーカーから買った種で作った野菜の方がロスが少なくすみ

結果として種を買った方がコストがかからない。

大量生産、大量消費という人間の欲を満たすためだけに生み出された新しい種

 

これがメーカーが作った種「F1種」なのである。

 

 

メーカーが作る種「F1種」とは何か

「F1種」とは「1代雑種」のこと。

このF1種を使うことにより目的にあった野菜を作ることができるのだ。

 

昔ながらの「固定種」は親世代と同じ性質を持つ野菜ができる。

形や大きさがまちまちだったり、生育速度に差が出たりと、収穫物には様々な形態、つまり差異が表れるのだ。

 

「F1種」は他の品種と交雑させることで、目的にあった、狙った野菜をつくることができる。

遠い系統の品種を受粉させることにより、交雑させた1代目(「F1種」)には目的にあった均一な野菜を作ることができるのだ。

この現象を「優性遺伝」という。

中学生のころに習った「メンデルの法則」である。覚えているだろうか?メンデルの法則を。

「AA」の遺伝子と「aa」の遺伝子の組み合わせは「AA」の遺伝子の特徴が現れる。これが優性遺伝。しかし、F1は「aa」遺伝子も隠し持つため、第2世代になると「aa」のみの遺伝子を持った個体が現れる。ちなみに「優性」「劣性」は表出した現象の優劣ではなく「出やすい」「出にくい」の意味の優劣。

 

このためF1の実から種を収穫しても第2世代では均一にならないため、F1はまさに1代限りの種ということになる。

 

では、その人間にとって都合のいい「F1種」の種を作るにはどうしたらいいのか。

 

「F1種」の作り方 「除雄(じょゆう)」作業

人工的に遠い品種の遺伝子を掛け合わさなければならないため、

子孫を残すために必要な「受粉」作業を人工的に行わなければならない。

 

どうやって人工的に授粉するのかというと全て手作業である。

受粉にはいろいろな方法がある。

ミツバチなどの虫などを媒介として受粉する場合、

風に乗せて受粉させる場合、

ひとつの花の中におしべとめしべがありそこで受粉する場合。

 

ただしここでは「F1」という意図する効果を得るため

自然のまま植物に勝手に授粉されたのでは大いに困る。

 

そのため人間がひとつひとつのおしべを手作業で取り除いて、勝手に授粉しないようにするのである。

この作業を「除雄(じょゆう)」という。

あらかじめおしべを取り除いておき、めしべが授粉可能になったときに人間の手で授粉させるのである。

これによって思い通りのF1種を作ることができるのだ。

 

この「除雄」という作業を人間が行う、というのはとてつもない労力を要するだろうことは

素人目に見てもだいたい予測がつく。

 

これではF1種の種は価格が高くなり、結果使う農家はあまり多くはならないはずだ。

 

しかしそうはならなかった。

「雄性不稔(ゆうせいふねん)」が発見されたからだ。

「雄性不稔(ゆうせいふねん)」という突然変異によるある意味奇形

「雄性不稔(ゆうせいふねん)」とはおしべに欠陥があり、

花粉を作れない、あるいは花粉を作る機能に異常があるという状態。

つまりはじめからおしべがない状態の花である。

動物的に言うならば「男性不妊」「無精子症」などにあたる。

 

この「雄性不稔(ゆうせいふねん)」アメリカのタマネギ畑で発見された。

はじめからおしべの機能がないので除雄の手間がはぶけるのである

 

その後研究を重ね、この「雄性不稔(ゆうせいふねん)」を人間は利用した。

出典:近頃のおかしな野菜たち

 

そしてそれはタマネギだけでなく、ほかの野菜でも発見され

同じように「雄性不稔(ゆうせいふねん)」を利用したF1種の種を作るようになったのである。

近い将来、野菜のほとんどがこの「雄性不稔(ゆうせいふねん)」のF1種になってしまうのである。

 

2006年アメリカでミツバチがいなくなった

アメリカ、カナダなどの広い地域でミツバチの雄が大量にいなくなった、というニュースを覚えている方も少なくないだろう。

「蜂郡崩壊症候群(CCD)」と名付けられたこの現象は、今でも世界各地で見られ

その原因は2018年現在に至るまでいまだ特定されていない。

 

様々な説がある中で、一説にはミツバチが大量にいなくなった地域にこの「雄性不稔(ゆうせいふねん)」のタマネギ畑があった、というものがある。

つまり、生殖機能を持たないおしべの花粉を集めて子孫を育てているミツバチが真っ先にその影響を受けたのではないか、ということだ。

 

では、この花粉だけを取っているミツバチがこの状態であれば

その実である「雄性不稔(ゆうせいふねん)」F1種の野菜を食べ続けているわれわれ人類はいったいどうなってしまうのだろうか?

 

男性の精子の数はここ40年で60%近く減少している

ここに興味深いデータを示す。

イスラエルヘブライ大学による、男性の精子数に関する調査結果だ。

academic.oup.com

この調査によると、男性の精子の数はここ40年間で最大60%近くも減少しているというのである。

これを「雄性不稔(ゆうせいふねん)」F1種のせいに押し付けてしまうわけにはもちろんいかないが、

ミツバチの大量失踪とあわせて考えると、あながち無視できない。

 

「ミツバチがいなくなったら人類は4年以内に滅びる」

こう予言した人物がいる。

ご存じだろうか?

20世紀最高の頭脳を持つかの「アルバート・アインシュタインである。

「アインシュタイン」の画像検索結果

「今でしょ」

 

「雄性不稔(ゆうせいふねん)」F1種の野菜を食べ続けるとどうなるのか?

 

ミツバチがいなくなると人類は滅びてしまうのか?

ミツバチがいなくなったのは「雄性不稔(ゆうせいふねん)」の影響なのか?

われわれは「雄性不稔(ゆうせいふねん)」F1種の野菜を食べ続けて大丈夫なのか?

 

正直言って、結果は誰にもわからない。

 

わかっているのは、その結果が出たとき、人類は滅亡しているかもしれない、ということだ。

 

 

 

 気になったらあなたも調べてみてください。